雪とアルフ

 通りすがりのお店から出てきたその人に目が止まったのは、実家の犬に似ていたからだと思う。

 焦茶色の大型犬。

 背の高い男性がファー付きの焦茶色のダウンジャケットでモコモコしている様は犬の冬毛のモコモコみたいだし、後ろで短く括った焦茶色の髪も犬の尻尾みたいに見える。

 カフェと思しきお店のドアを押し開けて出てきたその人は、空を見上げてぽつりと呟く。

「あーぁ、降ってきた」

 特に喜ぶでもなく嘆くでもないその声に、雨かと思ったら視界に舞い込んだのはひらひらとした白いもの。

 雪だった。

 ふーん、犬っぽくても雪には喜ばないんだな。

 うちの犬なら雪がちらついた瞬間に庭に飛び出て大はしゃぎなんだけどな。

 焦茶色の毛につく雪が粉砂糖みたいで可愛いんだよな。

 なんて思っている間に、その人は後から出てきた連れと思しき人達と和気藹々と(年長者らしき人に髪の毛をわしゃわしゃされて笑う姿はやっぱり大型犬っぽかった)去っていったけれど、私の心は実家の犬のことで一杯で。

年末年始に帰ったばっかりだけど、またあの焦茶色の毛並みをわしゃわしゃしに行きたいなあ、とか思いながら一人暮らしのアパートメントへの帰路についたのであった。

というモブ女子視点のアルフ。

そうえばリンク用バナーが秋のままだったな……と思って描きました。ハウンドの舞台はベイサイドという架空の湾岸都市なのですが自分の中のイメージ的にはニューヨークとパリ足して2で割ったくらいじゃないかな?くらいの適当感なので雪は結構降るんじゃないかな~~~(ぼんやりぼんやり)

とっくに年も明けてましたが本年もよろしくお願い致します!翔とアルフ3回目は「早ければ年内とかどの口が??」くらいのまったり進行ですがぼちぼち進んでます。配信、閲覧ありがとうございました!またこまめにやります。いいね❤もありがとうございました~😊